「最近の若者…」はと言う上司は終わっている
「パパは、最近の若者はって言わないよね?」と、大学生になったばかりの娘に聞かれました。
「最近の若者は…」という言葉は、ローマ時代から言われて来たという説もあります。
真偽はともかく、似たような言葉が紀元前から言われ続けてきたのでしょう。
私自身も、年長者から「最近の若者は…」とか「新人類」とか言われてきました。
きっと、その年長者も、そのまた年長者に言われてきたのでしょう。
昨年、講演で伺った高校生との座談会で
「最近の若者は・・・なんて、老害から言われたくない!!」と発言。
周りの生徒達も強く同意していました。
そんな生徒たちに、
「どんな先生なら信頼ができる?」と尋ねました。
「どんな先生も信頼できない」という悲しい返答も一部ありましたが、
多くの生徒は「私たちの話を否定せず、冷静に聞いてくれる先生」でした。
一般的に使われる「最近の若者は…」は、若者を否定する言葉です。
そんな言葉を使ってる限り、部下との信頼をつくることが難しくなるのは当然です。
だから、「最近の若者は…と言う上司は終わっている」のです。
どうして「最近の若者は…」と言ってしまう人がいるのでしょうか?
一番の理由は、最近の若者を「学ばない」からだと私は考えています。
例えば、「り」という返事。
「了解」のことだそうです。これを学ばず、なぜ使うのか解らないとしてると「最近の若者は言葉遣いが乱れてる!」となるわけです。
しかし、私たちの世代も同じように、言葉を変化させたり、言葉遊びをしていました。
「食べれる」という、ら抜き言葉。
本気を「マジ」と言ったり、寿司をシースーと言ってみたりです。
言葉は価値観の現れです。
なりたい職業ランキングが世代ごとに変わるように、大切にしたい価値観も世代ごとに違うのです。
結果、言葉の使い方も変わるのです。
部下が大切にしている価値観を理解しようとせず否定ばかりすると、
部下は、あなたに対して否定的になります。
人は、否定した人を否定したくなるからです。
まずは、部下から学び、肯定することから始めるのです。
まさに「私たちの話を否定せず、冷静に聞いてくれる先生」のようにです。
たとえば、「り」という分からない言葉を使っていたら、「それってなに?」って教えてもらう。「了解のことです」と教えてもらったら、「へーー、了解の”り”ね。最近はそんなふうに返事をするんだ。教えてくれてありがとう。」という具合です。
言葉や行動を変えて欲しければ、聞いて肯定した上で、「仕事のやり取りなので、私のように分からない人もいるから了解として欲しいな。あと上司や目上には、了解でなく承知しましたにしようか」と指導すると、伝わりやすくなります。
なぜなら、人は「私の話を聞いてくれた人の話を聞きたくなる」からです。
間違っても、「了解なら了解って言え! そもそも承知しましただろ! 最近の若者はなに考えてんだ!」と、冷静さを欠くと上司と部下の関係性の破綻が訪れ、老害と揶揄されるかもしれません。
言葉の使い方は、時代とともに変化しています。
「最近の若者は…」も、今までの否定的な使いかたから、「最近の若者はすごいね!」などと肯定的な使い方に変化すると未来が明るい感じがしますね。
部下は、部下からも学ぶ姿勢を持ってる上司から学びたくなるのです。